勝手に我々が命名した生地に「シャンコットン」がある。
ミャンマーで仕入れられるミャンマーらしい生地の代表はロンジーだが、地方の民族衣装に使われるコットン生地もなかなか素敵である。
素朴なナチュラル感覚が好きな人にはたまらない温かさ、柔らかさがある、ごっついガーゼ(?!)のような生地だが、町はずれの工場や田舎の村で手織り、又はふる~~い年代物の日本製織り機で半手作業で織られている。
日本の織機
素材は国内産の綿で紡がれた糸だけれど、機械も古く撚りが甘いのでざっくり柔らかだがやっぱり弱い。しかしながら、なんだか懐かしい手触り感は、他の生地では味わえない。近頃(見つけるのは難しくなったけど)の日本製の生地には素晴らしい技術進化が感じられ、さすがー、と嬉しくなってしまうこともあるけれど、どちらにもなぜか似た喜び感がある。
一方で、ミャンマーでもカンボジアでも市場に出回っているお手頃生地にそれは感じられない。そこそこレベルで収まる感じ。最後には、安いからまあいいや、かな。
何が足りないか、技術的なことは分からないが、やはり人の手間というか、努力というか、そういう意識が感じられるものは何でも同じかと。「心」になんとかこじつけたい主観的な意見でしかないかもしれないが、理屈はどうあれ、やっぱり好きなものは好きとしかいえない。
もちろん、くら~い工場で、見るからに効率が良いとは言えない古くて巨大な機械でひっそり生産しているお姉さん達の姿やら、まる1日かけて移動しなけりゃたどり着けないような田舎で、カタカタと手織りしているおばあちゃんたちの姿をみれば、しみじみした気分にもなるかもしれないけれど。・・・そのように見れば、ね。
しかし、少なくとも自分には、どんなに大変でも悲壮感を感じさせられることがない、タフでつよ~いミャンマー人しかしらないので、どこまでも地道な彼女たちに、「おぉーー、がんばってちょうだいねー」と、応援したくなるし、「よーし、我らもがんばるぞー」と元気をもらって、どこか自分達と共通点を感じられるところから仕入れたいだけ。