あるきっかけで、2000年から日本と東南アジアの往復が始まり、地元の人々の自立を応援することに…。NPOの協力を得ながら、ミャンマー人と生活を共にし、互いの得意技&共通点を発見しつつ、無くさないで欲しい現地の人々の心意気と生活文化、あつ~い東南アジアの様子をつづる手作り記。話題が一国だけで留まなくなってきたためリニューアルしました。

ボタンホールの奇跡

足踏みミシン・足踏みロックにはじまり、カンボジアに来て念願の工業用ミシンを2台手に入れた。おそらく2~30年ものと思われる中古で$250。台付、モーター付。これで足踏みから一気に効率ア~っぷ!と思ったが、怖くて使えない、とメンバー。

なるほど、使ってみるとペダルも何もかも結構な使い込み具合で、調子はよいが加減が難しい。ちょっとクセがある、といいましょうか。しかし、慣れてもらうしかない。

若手メンバーはさっさと使いこなせるようになったが、年配メンバーは、カンボジアでも停電があろう、と、念のために用意した足踏み工業用で背中を丸めながらもがんばっている。おぉ、なかなか、電動並みに速く動く足。ミャンマー人の足腰は強い!















さて、M社様からのご依頼を受けることになり、サンプルづくりを始めたのはよいが、ボタンホールの問題に直面。ミャンマーでは、ロック屋さんと同様、ボタンホール屋さんがある。これは、自分も学生の頃、家庭用ミシンの機能にはあっても手作り感いっぱいのボタンホールに満足がいかず、業者さんに持って行ってホールを作ってもらっていた。

現在の日本でも、ボタンホールは、業務用特殊ミシンはウン十万円するし、個人で持っている人はそういないであろう。家庭用ミシンでも、ボタンホール機能を使えばそこそこのものは出来るようになっているようではある。

しかし、アジアで手に入れられる家庭用中古ミシンは家庭用ポータブルの初代風のミシンばかり。やたらめったらコンピューター機能はついているが、ほとんど壊れている状態。ボタンホールもジグザグに毛が生えた程度で、直線縫いもぼちぼちしかできない、頼りない感じのミシンしかない。

一か八かで日本から取り寄せた、工業用ミシンに取り付けるボタンホールのアタッチメント。「どうせだめなんじゃないんだろうか」、と意識のどこかにあったかなかったか、数か月試さずにもいた部品をゴソゴソ取り出し、つけてみることに。

取説とにらめっこしながら、備品取付用の穴もゴミで埋め立てられているミシンと格闘すること1時間・・・。付いたはいいわ、糸が切れてどうにもならない。糸をとっかえひっかえしながら、おぉおおおーー!!いける、いける♪できたできた、立派なボタンほ~る♪奇跡なのじゃ。